日本各地にあるYMCA日本語学校には、120名を越えるネパールからの留学生が学んでいます。これらの学生たちは、今回の甚大な地震被害による大きな悲しみと不安の中でいたたまれずに支援を呼びかけています。中には、自身の家が倒壊したり、親族の方が犠牲となられた学生もいます。私たち、大阪YMCAの学生たちも隣人として何かできないかと考え、これらの学生と共に街頭募金に立ち上がりました。
日本YMCA同盟(日本の窓口となるYMCA)でも、アジア・太平洋YMCA同盟、世界YMCA同盟と連絡を取りつつ、地震直後から、今後の支援に向けた募金活動を展開しています。5月末現在、大阪YMCAだけでも100万円を超える募金が集まっている状況です。
大阪YMCAでは、この度、現地と連絡を取り合い、支援物資を届けるとともに今後の支援について視察するために、5月末から6月上旬にかけて現地を訪問いたしました。援物資については、株式会社モンベル様から「是非協力させてほしい」とご提供をいただいたテント10張を持参いたしました。以下にご報告いたします。
① 現地の関係者と会い、状況を把握する。
② 今後の支援の方向について話し合う。
③ 支援物資(テント10張等)を持参する。
5月29日、バンコク経由でカトマンズに空路到着。空港には 荷物輸送機が1機駐機しており、支援物資が外に積み上げられていました。空港には大きなダメージがないように見えましたが、以前に比べると交通量が少なく、現地の人によると、多くの人がカトマンズから郊外に出てしまっているとのことでした。
今回は、カトマンズ周辺の被災地エリアのみを訪問したが、同じエリアで被災の状況がかなりひどいところとほとんど影響がなかった建物とが混在していた。
① カトマンズ市内のようす
空き地にテントがあちこちに張られていて人々が生活をしていました。家が倒壊した人もいますが、倒壊はしていないが次に地震が来たときに命がなくなるかもしれないという恐れからテントに住んでいる人も多いとのことでした。カトマンズの中心地のあちこちで建物が崩れたり、大きなクラックが入っていたりします。市内中心部の運動場には中国からの支援で設置された青いテントが多数見られました。
② カトマンズ郊外
煉瓦の建物が崩れ落ち、あちこちに煉瓦の山がありました。また、軍隊が上から落ちてきそうな煉瓦や屋根を落としているところもありました。市内は、道に煉瓦があふれても何とか車が通れるようになっていましたが、市内から外れたとこ ろでは、通行止めの場所もありました。住居棟の建物は被災している 建物の隣で、 まっ たく被害を受けたよう に見えない建物もあり、地震によるダメージの差が激しいことを実感しました。
株式会社モンベル様との協力によって、5月30日、ネパールLalitpur地域の支援の行き届かない山間部にテント10張を届けました。テントの運搬は、タイ国際航空が無料で引き受けてくださり、ネパール現地では、ネパール軍が運搬を引き受けてくれました。
支援を必要としている公立の学校(中学校、高等学校)を訪問し、校長先生等から学校を案内してもらいました。この学校には4つの建物があるのですが、2つはまだ使用可能。他の2つは使用不可との認定がされています。翌週から授業が始まるとのことでしたが、今のところ、使用できない教室のクラスは、外で行う予定だそうです。
大阪YMCAでは、現地YMCAを始め、日本YMCA同盟、世界YMCA同盟と連携して、皆様からいただいた支援募金や物資をどのようにしたら最も良い支援となるか、短期的また長期的にどのように支援を実施するかを検討し、具体的な支援プログラムを実施してまいります。その一つとして、前記の支援を必要とする学校の校舎再建を計画していますが、現地支援のリーダーシップは、あくまでネパールYMCAが取り、それを各国がサポートする、というスタイルでの支援となります。
2015年6月10日現在